日本経済の景気低迷がこんなに続く、根深い原因を皆さんは知っていますか?実は、終身雇用と年功序列、管理職による部下の教育・指導が深くかかわっています。これを読めば、日本企業が低迷している根本原因を知ることができます。
本記事では、日本経済の不景気の原因の1つである、企業の管理職による部下の教育・指導能力について記載しています。
日本経済の不景気の原因
日本経済衰退の原因の1つとして、現在の企業の管理職が昔に比べ、自分の時間を部下への教育に充てていないことが挙げられます。
プレイングマネージャーという言葉をよく聞きますが、管理職が実務を行うことで部下の管理、とりわけ教育の面で力を割けないことが日本経済の不景気の大きな原因です。
プレイングマネージャーという言葉は一見良い言葉のように思えますが、プレイイングする管理職の増加が、結果的に日本経済の衰退の原因となっていることは事実です。
ではなぜ、プレイングマネージャーがよくないのでしょうか。日本と欧米の違いから考察していきます。
「日本と欧米の文化の違い」と「日本における教育の重要性」
日本経済の文化が欧米と異なる点は「年功序列」「終身雇用」(新卒採用)「企業内組合」の3つです。「年功序列」「終身雇用」(新卒採用)により、日本企業はOJTで人を育てることが必須の要件となり、管理職の第一使命は組織の人づくりとなるのです。
一方、欧米では、学校や他企業で能力を身につけた人材を中途採用します。自ら能力を身に付けなけない限り、企業は採用してくれまんせん。したがって、欧米では、日本のように管理職が組織の人づくりをする必要はないのです。もちろんOJTのような教育システムもありません。その分、経営者や管理職の力量が業績に直結しますし、その分、経営者への報酬も大きくなります。
日本企業は人を教育して育てることが前提で、欧米のように技術を持った人材が中途採用で入ってくることが少ないです。そのため、日本企業は個人で成果を上げることはほとんどなく、課単位で成果を上げることになるため、管理職は課員の能力向上に努めなければなりません。
教育を前提とした日本の企業文化を考えると、管理職は自分より優秀になるように部下を育てる必要があります。日本における管理職の指導能力は欠かすことができない能力であり、組織の人づくりのために特に、チーム統括力、組織開発力といった能力が求められます。
したがって、日本の管理職は専門知識よりも上記のような組織の人づくり能力が重視されます。プレイイングに重きはおかれていません。プレイイングはその部署での業務遂行能力なだけで、組織の人づくりの能力は部門を超えたどこの部署でも発揮できる能力なのです。
今日、職場に人が足りず残業が多いという話をよく聞きますが、実際は、人は足りており質が足りてないだけなのす。これは管理職の組織の人づくり力の不足に他ならないことなのです。
管理職による部下の教育で日本経済は復活する
組織運営、ひいては日本経済の復活における喫緊の課題は「組織の人づくり機能」の再構築です。
組織の要は管理職です。日本企業の新任管理職の多くが「管理職にはなりたくなかった」と答えますが、これからの企業は「管理職になりたい」と思わせるような組織運営が求められます。
欧米の管理職は個室や車、秘書が付くため激しい競争を勝ち抜こうとします。この意識が日本にはなく、管理職も一般職も給与がそれほど変わらないことから、管理職を目指そうとしない背景があります。
また、日本の高齢者はこれからますます増加していきます。70歳までは何らかの形で収入源を確保する必要があるでしょう。そのために、自らの年収の5%はキャリア形成のために当てるべきです。
会社は個人の能力を磨く揚であり、自分自身のために働く場でなのです。それが結局は会社貢献(日本経済への貢献)につながるのです。
まとめ
日本経済の衰退の原因は、企業の管理職の教育管理能力の低下に起因します。私も最初は、部下の教育指導能力と日本経済衰退がなぜ紐づくのか腑に落ちませんでしたが、色々調べるうちに、日本経済の文化が大きく関係していることを知りました。
日本企業のほとんどは、新卒採用、終身雇用を採用しており、これがOJT(先輩が後輩に実務を通して物事を教える)のような教育システムを生みました。この教育システムを的確に回せる企業は、繁栄し続けるし、そうでなければいずれは倒産します。
一方、欧米企業は、能力を持った人材を採用するため、先輩から後輩への教育システムというものがほとんどないということには驚いたものです。その国の経済文化により、教育システムの在り方が大きく異なることは興味深いものです。
日本企業では、管理職を中心とした職場の人づくりが非常に重要となります。日本の管理職の方には職場の人づくり(=日本経済の活性化)に貢献してもらいたいものです。