この記事では、企業のモチベーションと当たり前残業(常態化した残業)の関係について記載しています。主に、以下の方を対象としています。
- 経営陣の思いを一般従業員へ浸透させたいと思っている方
- 残業を削減したいと思っている方
- 日本企業において、管理職の給与が上がりにくい理由を知りたい方
- モチベーションが上がらないサラリーマンの方
この記事で伝えたいこと
この記事で言いたいことは以下の通りです。
管理職が『組織の楔(上級経営者と一般従業員との懸け橋)』として機能することで、経営者の夢や目標を部下へ深く浸透させることができます。そうすることで部下のモチベーションは向上し、生産性が上がってきます。その結果、部下(一般職)の残業費が減少し、労務費に充てる資金源に余裕ができ、最終的に、管理職の報酬に回す資金源が確保できるのです。労働分配率の割合を、管理職に多く充てることができるのです。
以降、詳しく説明します。
企業のモチベーションは夢から生まれる
経営者の夢と目標を知る
企業のモチベーション向上に絶対的に必要なのが、経営者の夢と、その夢から派生する目標です。
夢とは実現できるかわからないが持ち続けるものであり、目標は夢の一部として必ず実現するものです。そのため、夢がないと目標が不明瞭になり、目標が不明瞭だと企業のモチベーションは上がってきません。
目標を達成するために知恵を創出し、目標に向かって日々行動し、生活習慣、仕事習慣を作っていくことが大切です。日々の行動、習慣が目標達成につながることを実感することで、自分が好きになり、自分自身を信じるようになります。これがモチベーションにつながるのです。
経営者の夢は従業員に届かない
一方、経営者の夢や目標はなかなか従業員に浸透しません。
従業員にとっては、経営者の思いよりも、顧客や同期からの依頼事項の方が優ります。
そこで重要となるのが、管理職がいかに『組織の楔』としての機能するかです。
管理職の『組織の楔』を機能させるには、経営者は各部署を回って管理職に直接口頭で経営計画を何度も説明する必要があります。経営計画の伝達は口頭でやるのが必須なのです。そうすることで、管理職が『楔』として機能してきます。
また、管理職は課員に何回でも経営計画を説明することが必要です。
もちろん、経営者と同様、管理職も自分の言葉で課員に伝えるのが重要です。普段から管理職は、経営計画を経営陣や課員間で議論するのが重要となってきます。
こうすることで、経営計画、企業理念が従業員に正しく解釈され、結果、企業全体のモチベーション向上に繋がるのです。
この考えの上で、残業の質(当たり前残業(常態化した残業))について考えてみましょう。
残業の質を考える
今日の日本企業において、管理職と一般職で賃金の差がない原因を作ったのは、何を隠そう管理職自身なのです。
管理職による組織の人づくりがおろそかになった結果、部下の仕事の質が上がらず、一般職の残業が多くなっているのです。
一般職の残業費が、労務費に充てる資金源を圧迫した結果、管理職報酬に回す資金源が低下していっているのです。
ここで重要なのが、上述した、管理職が『組織の楔』となることです。
管理職が『組織の楔』となれば、部下のモチベーション向上が期待され、組織としての生産性の向上が認められます。
その結果、部下(一般職)の残業が減少し、その浮いた労務費を管理職の給与に充てることができます。つまり、労働分配率を管理職に多く充てることができるのです。
労働分配率:付加価値(粗利)に占める人件費の割合のこと
残業している人が頑張っているという企業文化を考える
また、残業は部下からの申請を待つという管理職の姿勢、残業している人が頑張っている人という企業文化を考えなおす必要があります。管理職は、部下の残業状況にもっと積極的に入っていかなくてはなりません。
一方、管理職も自分が直接行う仕事を自分で思い通りにコントロールし、目標とする結果を時間内に得る能力が必要です。1つ1つの業務に必要な時間を設定し、業務に臨む姿勢が必要であります。
まとめ
管理職が『組織の楔』として機能することで、経営者の夢や目標を部下へ深く浸透させることができます。そうすることで部下のモチベーションは向上し、生産性が上がってきます。その結果、部下(一般職)の残業費が減少し、労務費に充てる資金源に余裕ができ、最終的に、管理職の報酬に回す資金源が確保できるのです。労働分配率の割合を、管理職に多く充てることができるのです。